商談の進め方を、キッチリと教えてもらっている人ってけっこう少ない。
日本企業は『新卒至上主義』です。
一般的な企業であれば新卒で営業に配属されると、新入社員研修やOJT(On-the-Job Training、オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で営業の基礎の教育を受けることができます。
企業研修で学べることばらつきがありますが、ある程度の営業の基礎・商談の基礎は知ることができます。
しかし、他業種から営業に転職した場合や、事務職から配置転換で営業部隊に行った方で、営業についてなにも教わったことがない状態から「とりあえず営業にいってこい!」と放り出されるケースが非常に多いです。
私も他業種から営業に転職されるかたorされたい方から、本当に多くの相談を頂きます。
「営業ってどうしたらいいの?」
「そもそも商談ってどうしたらいいの?」
仕事のイメージが全く付かないまま営業の現場に放り込まれます。
それに加えて、会社の先輩には聞きづらいとか、まずは行って来い!!って上司から一言で終わらされてしまう。
ビジネスパーソンで、営業に関する悩みは本当に多いです。
今回は
『営業について全然教わってない・・・けど、営業をしなくてはいけなくなった』
「転職して営業職につこうと思ってます』
『営業のやり方を再度しっかりと見直したい』
そんな悩みを抱えている方へ。商談を成功させたい時に意識する4つのポイントをお届けいたします。是非、最後まで読み進めて頂いて、明日からの商談で活用してみてくださいね。
そもそも商談は3つ分かれている
商談は大きく3つに分かれています。
それがわかりやすくまとまっているのが、以下の図です。
①商談スタート!仲良くなる
②メイン!仕事の話
③商談終わり!仲良くなる
です。
上の図にもある通り、商談は大きく3ブロックに分かれており、ブロックとブロックの間には『切り替えタイミングの壁』があります。
この3つのブロック+『切り替えタイミングの壁』をしっかりと意味を理解して、それぞれに合わせたトークを意識するだけで、あなたは優秀な営業マンと評価され、デキる営業マンの仲間入りができます。
商談を成功させるポイント①:商談スタート!仲良くなる
ますは、『商談スタート!仲良くなる』ブロックです。
ここでの目的は『相手の心を開いて、聞く状態にする』ことです。
初対面の時は、話す”心の体制”が整っておりません。イメージではこんな感じです。
言葉の入り口が大きく開いておらず、良いことを言っても相手には響きません。
パチンコでいうとフィーバーしていない状態ですね。
今回のブロックでは、心の入り口を開いてもらうことが最大の目的です。
自分の言葉が相手の心にすんなり入っていきます。
心の入り口を開く1つのポイント
それは『共感』です。
お客様と共感できる事柄が増えれば増えるほと、仲良くなれます。
例えば
海外旅行でインドに行った時に、日本人がいたら親近感が湧きますよね。
新入社員として東京で単身状況した時に、同じ県出身の人がいると盛り上がります。
同じ名字の人がいたら、「おっっ!同じ名字です!」って話題になります。
私の名字は『黒藪』っていうかなりマイナーな名字なので、絶対にお互いに仲良くなれる気がしますよね。
営業マンが行う『雑談』の目的をシンプルに言えば、仲良くなることです。
このブロックで、お客様との共通点を見つけ出し、共感できる共通点を探します。
些細なことでも大丈夫です。
昨日みたテレビ番組とか相手が好きな野球チームの話とか、最近行った場所とか。
なんでもいいんです。
相手が好きなこと・興味がありそうなことで自分にも接点が少しでもあればそこから広げていけばいいのです。
もう一段レベルが高い共感術
話題だけで共感することを心がけている営業マンも多くいます。
でも、これだけだと『普通の営業マン』になってしまいます。
もう一段上を目指すのであれば『話し方に共感する』ことです。
話し方の共感??
あまり聞き慣れない言葉だと思いますが、これはとっても重要です。
話し方の共感とは、相手を真似することではありません。
『目の前の相手』・『一緒にしている時間の目的』・『あなたの言動』を一致させるということです。
あなたは、親しい友人と話す時と、両親に話す時は同じですか?
あなたは、恋人と話す時と、初対面の人と話す時は同じですか?
絶対に違いますよね。
多くの人は、この切り替えを無意識的に行っております。
普通なら無意識に切り替えたいいですが、トップ営業マンを目指すのであればこの切替を『意識的に行う』必要があります。
『商談スタート!仲良くなる』ブロックでは、それに合わせた話し方をする。『メイン!仕事の話』ブロックでは、それに合わせた話し方をする。
詳しくは以下に続く、『切り替えタイミング』でお伝えします。
商談を成功させるポイント②:メイン!仕事の話
『メイン!仕事の話』ブロックでは、『優秀さ』を醸し出す必要があります。
では、商談での優秀さとはなんでしょう?
一言で言うならば『段取り力』です。
お客様は、どれだけこの商談のために準備をしているか?を見ております。
なにも準備していない営業マンや、カタログを読んでいるだけの営業マンはお客様に大変嫌われます。
ゲンナリって感じです。そして、まったく売れません。
『メイン!仕事の話』ブロックに臨むには、まずは徹底的した準備が必要です。準備をせずに商談を重ねても、結果は全く出ません。
お客様の立場に立って
「どんな情報があったら喜ぶだろう?」
「他社が持って行きていない情報ってなんだろう?」
「より自社の商品を強烈に印象付けるための資料はどんなもんだろう?」
と考えて段取りを組むようにしましょう。
スムーズにお客様の話を聞き出し、スムーズにお客様の要望を満たす根拠となる資料を提示し、ニーズやウォンツに対する解決策が提示できるか。
これができるのは、しっかりとした準備があるからです。
オリンピック選手は一瞬の試合のために、その数百倍の練習をしています。オリンピック選手の営業マンも同じプロです。
一瞬に最大のパフォーマンスを出すためには、しっかりとした練習(準備)が必要です。
仕事の話への切り替えタイミング
切り替えタイミングは商談において重要なポイントとなります。
前述でもお伝えいたしましたが、一般的な営業マンはこの切り替えタイミングがまったくできておりません。
お客様に訪問して、何気なく雑談して、何気なく仕事の話をして、何気なく帰りの挨拶をして帰ってくるってことをしていませんか?
こういった商談はダラ〜っとした空気になり、生産的な時間にならない場合がとても多いです。
仲良くなる時は仲良くなる!
仕事の話をする時は仕事の話をする!
これをまずはしっかりと、使い分けて下さい。
仲良くなる話と仕事の話の使い分け方
『商談スタート!仲良くなる』・『商談終わり!仲良くなる』時の話し方と『メイン!仕事の話』の時の特徴を見ていきましょう。
『商談スタート!仲良くなる』・『商談終わり!仲良くなる』の話し方
・話すスピードは普通くらい(相手のスピードに合わせる)
・声のトーンはやや高め
・敬語はかしこまりすぎず、フランク寄りな言葉使いをする
・笑顔をしっかりする、笑いが出る話をする
・軽いテンポ
・自分のこと(出来事や身の上話)をちゃんとする
『メイン!仕事の話』の話し方
・相手より若干速いスピードで話す
・声のトーンは普通くらい、もしくは若干低め
・しっかりとした丁寧であり相手を敬った言葉使い
・紳士的な対応で、わかりやすさ・明解さを重視
・論理的な構成
・その人(企業)を正確に知るための質問をする
これらの特徴をしっかりと使い分けます。切り替えのタイミングの時にお客様に一言添えるとスムーズに次の話題に移行できます。
例えば・・・
「◯◯さん!今から少しだけ仕事の話をさせて頂いてもいいですか?」
「以上で今日の仕事のお話は終わりました!」
など添えることができると、綺麗な形で切り替えができます。
商談を成功させるポイント③:商談終わり!仲良くなる
『メイン!仕事の話』が終わった後は、『商談終わり!仲良くなる』ブロックです。
仕事の話が終わった!じゃぁ〜もうあなたに用事はなくなったので、帰ります〜って感じになると、そっけないし、寂しいですよね。
前半の仲良くなる部分では、相手に心を開いて頂くために時間をかける必要があります。
このブロックの目的は『好印象を残す』ことです。
基本的なとこですが
・今日、商談のために時間を頂いたことに感謝を述べる
・次回訪問までの宿題を再確認する
・宿題があった場合にはいつくらいまでに回答できるかなどスケジュール感をお伝えする
・なにか追加で困っていることや、気になっていることはないか確認する
・しっかりとキレイなお辞儀をする
など、『次回へ繋がる』ことを意識します。
最後に好印象の足跡を残すことがしっかりできれば、次回のアポは簡単に切ることができます。
ほんのすこしの意識の差と行動の差で、普通の営業マンかトップ営業マンか。
大きな差が開きます。
まとめ
今回は、商談の流れをわかりやすく3つのブロックに分けてお伝えさせて頂きました。
なにげなく、経験則だけでやっている営業や商談ですが、しっかりとした『型』を整えると、簡単に自然と結果はついてきます。
東大卒とか京大卒とか、めちゃくちゃ賢いとかじゃなくても、あなたは確実にトップ営業マンになることができます。
このブログでも、セールススキル・商品設計・マーケティングスキルについてお伝えしておりますので、どうぞ別のコンテンツもチェックしてくださいね。
では、ありがとうございます。