今回は、前回に引き続き2020年のビジネスにとって必要な『感情価値』についてお届けしていきます。
前回のコンテンツをこちら
前回をおさらいすると、「コスパや性能といった『機能的価値』の時代から、心の豊かさや楽しいといった『感情的価値』へ人の価値感はシフトしていっていますよ。」ということをお伝えさせて頂きました。
今回は、『感情的価値』をさらに深掘りし、そして、「どうやって感情的価値を作っていくのか?」まで掘り下げていきます。
コンシューマ向けに商品やサービスを販売しファンやリピーターを作って行きたいと考えている、マーケティング担当者や経営者にはピッタリな内容となっておりますので、どうぞ最後までご覧ください。
では、始めていきましょう。
感情的価値とは?
感情的価値とは、『感情の変化を価値とする』ということです。
この概念を理解するには、少し今までの価値観であった「機能的価値」を説明する必要があります。
機能的価値とは・・・性能・機能といった「より便利に」や「不便を解消する」を重きにおいた価値感のこと。
今までは、車を所有していないと”不便”でした。
タクシーも電話しないと呼べないし、レンタカーを借りるところまでは遠いし、すぐに借りれない。
ですが、今はどうでしょう?カーシェアリングの文化が出てきて、身近な駐車場に直ぐに借りれる車が用意されています。
また、タクシーもアプリを使えば直ぐに迎えに来てくれます。
都心部においては「車を持たないことにおいての不便さ」をほとんど感じられなくなっています。
車は一例ですが、ウーバーイーツの出現によって出前のハードルが下がり、Amazonの出現によって重い日用品をわざわざ持って帰る必要もなくなりました。
私達の日常から「不便」がなくなりつつあるのです。
だからこそ、「より便利に」とって機能的価値を追い求めてもそもそも「不便」に思っていることがないのに、価値を作り出すことができません。
だからこそ、これから販売戦略のマーケティングを行っていくにあたり、「機能的価値を作る」ことに重きをおいていては、大企業には絶対に勝つことができず、最悪の場合は多額の投資をしたにもかかわらず全く売上として回収できず倒産する可能性だってあります。
そんな「不便がなくなりつつある時代」だからこそ「不便以外の部分」で価値を作り出す必要があります。
それが、「感情的価値」なのです。
2020年に求められている感情的価値
2020年にもとめられる感情的価値として最も重要なのは『共感』です。
理由は明確にあります。それは「SNSの日常化」です。
例として近年で一番、利用人数が増加しているInstagramを紹介します。
(出典:insta Lab URL:https://find-model.jp/insta-lab/sns-users/)
Instagramは2012年から急激に利用者数を伸ばしています。
この増加の用意の1つして上げられているのが、「ハッシュタグ」の役割です。
自分の投稿をカテゴライズして検索を容易にするものです。
具体的には、言葉の頭に「#(半角のシャープ)」をつけることによって、ハッシュタグと認識されるようになります。
『料理』を例にしたハッシュタグはこんな感じです。
このハッシュタグを使うことによって、趣味・関心が似たユーザを瞬時に繋がることができ、共通の話題で盛り上がることができます。
これは、まさに『共感の文化』なのです。
また、YouTubeでも同様のことが言えます。日本には6200万人以上のユーザーがおり、チャンネル数は10万以上あります。
毎分400時間以上の動画が日本だけでアップされ、様々のジャンルの動画が存在します。
「え!こんな動画誰が見るの?」を一般人からすると疑問に思う動画でも、10万回再生されていたりするものもあります。
完全にこれらのSNSは、今までは人に言えなかったマニアックな趣味や思考を共感できるツールとなったのです。
だからこそ、ビジネスを継続的に発展させていくためには、感情的価値の中に含まれている「いかに共感を作るか?」がマーケティング活動において最重要項目になっているのです。
感情的価値の作り方
具体的に感情的価値の作り方として、一番シンプルな方法が「楽しいを発信する」ことです。
・なぜ、あなたの会社は今のビジネスをしていますか?
・なぜ、あなたの会社の商品は素晴らしいのですか?
・開発した時の想いはなんですか?
・どんな苦労があって商品化までたどりついたのですか?
・店を作ったときに、どんな夢を膨らませましたか?
・商品やサービスを扱っていて、楽しいと思うことは?
性能・機能としては十分な世の中になってしまったため、この土俵では差別化することは難しいです。
しかし、今扱っている商品やサービスを「開発するまでの感情の変化」や、「どんなところが好きなのか?」「なぜ今の仕事をしているのか?」といった「想い」は唯一無二のものです。
この想いが乗っている商品やサービスは、「機能的な面」だけで比較検討されず、「機能的な面」+「感情的な面」で見られるため、お客様から共感を生み共感に基づいて商品を購入してくて、そしてファンになってくれます。
まとめ
機能的価値に基づいてのビジネスはもう終わりました。
今からの2020年においてのマーケティング戦略は絶対に「感情的価値を作り出す」ことがキーポイントになります。
これは、旅行業界であろうとサロン業界であろうと全てに共通していることです。
まずは自社の製品、自社の成り立ちにおいての「楽しい」を再定義し、発信するところから始めてみてください。
そこから「共感ポイント」が次第に湧き上がり、オリジナルの共感ポイントを訴求することが出来るようになります。
ではでは。