2020年のファン作りにおいて最重要になるキーワードが「マニアック」です。
断捨離をしてモノを減らし、フリマアプリで2〜3回しか着ていない服を売り、電子書籍で紙の本を読まなくなり、漫画もスマートフォンで読む時代になりました。
「家に帰ってまずテレビをつける」から「家に帰ってパソコンでYouTubeをつける」時代にも変わってきました。
今は、モノが溢れている中でなんでも手に入ります。
簡単にモノが手に入るからといって所有量が増えていくわけではありません。逆に「ミニマリスト」などのモノをできる限り持たない生活をする人も増えています。
そんな、「テレビも見ない・雑誌も読まない・モノを買う意欲がない」人達が増えている中、これからの「ファン作りマーケティングをどうやっていけばいいのか?」を解説していきます。
そのキーワードは「マニアック」です。では、早速始めていきましょう。
”見せられる広告”が無意識にシャットダウンされる
まずはこちらの図をご覧ください。
(出典:電通 2018年日本の広告 URL:http://www.dentsu.co.jp/news/release/2019/0228-009767.html)
4大メディアと言われている、新聞・雑誌・ラジオ・テレビの広告費用は全て前年割れを起こしている一方、インタネット広告のみ前年を上回っております。
4大メディアは「見せられる」メディアでした。一番わかりやすいのが、テレビですね。
一つのテレビ番組の時間中、最低でも4〜5回は広告が入ります。この広告には全く自分の興味関心のない分野ももちろん入ってきます。
例えば
掃除機の最新機種が発売になる
最新のスマートフォンが発売されるファミリーレストランの新メニューが発売になる
古着の買い取りの新サービスを開始する
など、興味関心の無い人にはどうでもいい情報であり、広告が流れている時間は「無駄な時間」なのです。
今は「見せられる広告」を無意識にシャットダウンする人が圧倒的に増えています。
だからこそ、今まで広告を打てば一定の売上が上がっていたところの反応率が下がり、売上につながらず「広告費の無駄遣い」が発生してしまうのです。
そこで、必要になってくるファン作りマーケティングは「選ばれる商品を作る」ことなのです。
”選べる”時代
今は、インタネットを使えば簡単に商品を比較することがで、SNSを使えば簡単に「本当に口コミ」を知ることができます。
また、全国どこの地域に商品があっても2〜3日もすれば配送してもらえるシステムも整っているし、リアル店舗でない商品もネットで検索すれば出てきます。
商品を買う上で「検索しない人」のほうが圧倒的な少数派になっている今、お客様の多様な趣味・嗜好をピンポイントで掴み取る必要があります。
「ピンポイントで掴み取る」をことを意識したマーケティング戦略をとっていく必要があります。
では、実際にどうやって「ピンポイントで掴み取るマーケティングが出来るのか?」を今から解説していきます。
”自分の好き・こだわり”の時代
今は趣味・嗜好が多岐にわたります。
それが具体的にわかりやすいのが、YouTubeです。
「こんなタイトルの動画、誰が見るんだろう!?」といった動画が50万回以上再生させています。
例をいくつか上げてみます。
YouTubeから見る多様性
【参考例①】
タイトル:【くるまやラーメン】の「味噌デラックスラーメン」Deluxe Miso soup Ramen of Kurumaya Ramen【飯動画】【Just eating】
ポイント:顔出しなし、声なし、テロップと動画だけで、ただ美味しそうに食べているだけの動画
再生数:55万回
【参考例②】
タイトル:【咀嚼音】唐揚げを食べる【Eating Sounds】
ポイント:顔出しなし、声なし、テロップと動画だけで、咀嚼音を聞かせる
再生数:155万回
(出典:つくるたべるハナメ URL:https://youtu.be/OGp1C9B5-5U)
【参考例③】
タイトル:職場にカメラを持って行ってみました
ポイント:普通の会社員、機材にもこだわりなし、特別な演出なし、語っているのみ
再生数:187万回
(出典:ブラーボりょうのボンサバドゥ!チャンネル URL:https://youtu.be/pQW26bbmL6E)
これはほんの一例です。
このように、普通の人では「こんな動画、なぜ面白いのか意味がわからない」というようなマニアックな動画でも、50万回や100万回も再生されています。
この要因としては、SNSやYouTubeといった環境が整い「特殊な趣味・嗜好・好きの共有と共感」がやりやすくなったということがあります。
これらの特殊な趣味・嗜好を持っている方は、自分と同じことに興味があり、共感してくれる人を仲間意識として捉え、強固な信頼関係で結ばれます。
この「強固な信頼関係を作る」ことが、これからのファン作りマーケティングでは必須であり、それをするためには「一定の人に強烈に刺さるマニアックさ」が必要になっているのです。
多様な趣味・嗜好・好きをマーケティングする方法
「多様な趣味・嗜好・好き」を実際のビジネスに取り入れる方法としては大きく2つあります。
それは、「意味付け」と「ストーリー作り」です。
今からの商品は、機能的価値で商品を選ばれるのではなく、感情的価値で購入へ至ります。
※詳しくはこちらの記事をご覧ください。
この、感情的価値を作り出すために必要なことが「意味付け」と「ストーリー作り」です。
いわば「なぜ、好きになってほしいのか?」の理由をこちら側が用意するということです。
「意味付け」と「ストーリー作り」を活用して成功している例として、株式会社ヤッホーブルーイングが展開している、よなよなエールを代表としたクラフトビールを紹介する「よなよなの里」です。
(出典:よなよなの里 URL:https://yonasato.com/)
このサイトの中には、「読み物」を言われるコンテンツがあり、クラフトビールについて知ることができたり、年に1回開催しているファンイベントの「超宴」のレポートや、自社製品へのこだわりのなどを知ることができます。
商品やサービスを開発するまでの、「開発エピソード」や「開発への想い」を秘蔵とせずに、しっかりとお客様に見える形で発信していくことで、その「想い」に共感したお客様がファンになってくれます。
このように「意味付け」や「開発エピソード」がマニアックであればあるほどに、「普通とは違う」ということをお客様が感じてくれて、強烈に支持してくれるようになります。
しかも、上記でもお伝えした通り、SNSやYouTubeの日常化によりマニアックなエピソードを届けるツールは整っており、そこには潜在的な見込み顧客様がすでにいます。
プラットフォームが整いそこに見込み顧客様が存在するのであれば、あとは自社のオリジナルエピソードをこれらの媒体で発信し続けていくだけなのです。
まとめ
今回は、ファン作りマーケティングにおいてのポイントをお伝えしてきました。
絶対に貴社の製品にもこだわりやマニアックな想いがあるはずです。
もし、今その想いを発信できていないのであれば、開発までの流れや開発しようと思ったキッカケ、開発した後に改善を繰り返したストーリーなどの棚卸ししてみましょう。
そうすることで、機能的価値だけ比較されないようになり、感覚的価値でお客様が商品を購入してくれるようになります。
それが、2020年のファン作りマーケティングおいては最重要な施策となります。
ではでは、ありがとうございます。